道路や公園など、整えられたコースだけがランニングの舞台ではありません。 里山や林道といった自然豊かな場所を走れば、 土地の起伏や地面の感触、風光明媚な景色まで楽しめます。 変化に富んだコースは、より細やかな走りへの集中力を高めてくれるでしょう。 街なかでは味わえない、自然や四季の表情を感じてください。
大自然の中で行うのがトレイルラン。 街なかと異なる環境で走るには、それなりの心構えが必要になります。 天候や気温の変化には、特に気を付けなければならないでしょう。 また水や食べ物がほしくても、すぐには補充できません。 自然環境への配慮やハイカーに対するマナーも身に付けなければならないのです。
心構えと合わせて欠かせないなのが、トレイルラン用のアイテム。 特にシューズは、トレイルラン用の滑りにくく不整地走行に適した物が必要です。 急な雨にも耐えられるレインウェア、低血糖状態にならないための食料、 それらを入れるバックパックなども大切。 慣れない場所を走るなら地図やコンパスも携帯しましょう。
トレイルラン専用シューズを用意しましょう。 でこぼこだったり濡れやすい道でも、 地面をしっかりグリップして走れるよう ソールを柔らかいのが特徴。 凹凸のある道で走りやすいよう底にプレートを 入れてあるので、重量は重めです。 また、障害物にぶつかることを想定して、 アッパーにプロテクトが施されています。 ロード用のシューズは、障害物や でこぼこで濡れやすい道などを 想定していないため、 トレイルランに使うのは危険です。
トレイルラン用のソックスは、5本指タイプがオススメ。 指に力が入りやすいので、踏ん張りやすく、 また、蹴り出しの力を強くすることができます。 指同士の摩擦が抑えられるので マメができにくいメリットも。 また、土踏まずの部分だけを押し上げる アーチサポート機能がついているものを。 疲れにくく快適です。 なお、写真のモデルのように、 足裏に滑り止めがついていると、 シューズとのフィット感がさらに高まります。
どのくらいの距離を走るのか、 また、どのような季節・天候かによって 荷物の量は変わります。 夏場は10リットル、 冬場は20リットル程度がおすすめです。 また、トレイルラン用のバックパックを 選ぶ時には、ドリンクホルダーを どこにつけられるかも重要なポイント。 写真の商品のように体の前面に つけられるタイプだと、 走りながらでも飲みやすく、 また、収納も広く使えます。
山の天気は変わりやすいので、 レインウェアは必ず持っていきましょう。 水をはじく防水性、汗や湿気を外に逃がす透湿性、 そしてコンパクトで軽量なモデルがおすすめです。
天候の変化や、山の影に入ったりなど、 山道は昼間でも薄暗くなりやすいものです。 また、夕方はすぐに暗くなることも。 走るのは日中だけだからと油断せずに、 必ず持っていきましょう。
山に入る際には、遭難を避けるためにも、 地図とコンパスを用意しましょう。 また、登山用の地図にはルートごとの 所要時間が記載されていることが多く、 トレイルランの目安にもなります。
心拍計や高度計、GPSなどを備えた 高機能な時計があると、 山での走りを分析するのに役立ちます。 また、天候が変わりやすい山では 防水機能があるモデルを選んだ方がよいでしょう。
電波が届かない場所が多いですが、 尾根や頂上などでは携帯電話が 使用できる場合もあります。 緊急事態の連絡用に持っていくのを おすすめします。 汗でぬれやすいので 袋に入れるなど防水対策も。
カロリーと栄養をすぐ摂取できる エネルギー系サプリを、 ランニング1時間当たり1個を目安に 用意しましょう。 筋肉疲労予防に アミノ酸系サプリもおすすめです。 十分な水もお忘れなく。
捻挫で走行不能になると、遭難の危険があります。 また、木々や茂みなどで 怪我をすることもあるかもしれません。 最低限、絆創膏と非伸縮性テーピングテープは 持っていきましょう。
木の枝から顔を守ったり、日差しを避けたりと、 あると役立つのがキャップ。 また、道によっては手をついたりすることも あるので、グローブも忘れずに。 コンパクトに運べる軽量なものを。
山道では、すぐに水分が 補給できないこともありますので、 ドリンクを持っていくのをお忘れなく。 ドリンクホルダーを使えば邪魔にならず、 バックパックも占領しないので便利です。
実際に走ってみる!
トレイルランを始めようと思ったら、まずは土のコースに慣れることが必要です。 公園のグラウンドなどで、土や草地を走る感覚をつかんでおきましょう。 実際に走ってみると、アスファルトやコンクリートとの違いがわかるはず。 一見平らなように見えても、地面には細かい凹凸があることを覚えておきましょう。
里山や林道などのコースは、街なかと違ってアップダウンがあります。 この起伏に慣れるため、坂道などのコースも走り込んでおきましょう。 築山のある公園や階段のある神社などがあるのなら見逃す手はありません。 歩幅やスピードを変えながら、さまざまな走り方を試しておきましょう。
土のコースや坂道などに慣れてきたら、いよいよトレイルランデビュー! 初めのうちはあまり高くない山や短いコースを選んでトライしてみましょう。 主なポイントは適度な起伏があり、長くても30km程度で、標高が高過ぎないこと。 アクセスのしやすさなどにも注意してピックアップしましょう。