野球選手にとってグローブは自分の手の一部とも言える大事な用具です。だからこそ大切に扱い、できるだけ長く使用しなければいけません。 グローブは使うたびに強い衝撃を受けるため、それをそのまま放置してしまうと傷んでしまい、型も崩れやすくなります。 そのため、しっかりと手入れをしてあげることが大事なのです。 ここでは、グローブの手入れの仕方のポイント、おすすめの手入れ用品を紹介します。
グローブの手入れをするためには専用の手入れ道具が必要です。 まず、準備をしておくべきメンテナンス道具を紹介します。
グローブの手入れと聞くと、素人には難しいんじゃないかという印象を受けるかもしれませんが、高価な道具や特別な技術は必要ありません。 まず大切なことは、「汚れを落とす」こと。そのために使うのがブラシです。 グローブの手入れ用の専用ブラシがありますが、古くなった歯ブラシでも代用できます。
ローションは普通の手入れでは落ちない頑固な汚れを落とすために必要です。 スポーツ店やインターネット通販で、500円程度で購入できます。
カバンや革靴には手入れ用のワックスがありますが、野球のグローブにも専用のワックスがあります。 ワックスを使用する目的は、「汚れ落とし」「ツヤ出し」「保湿」の3つ。また、買ってすぐの硬いグローブをやわらかくする効果もあります。 ワックスはグローブを販売しているスポーツ店でも売っていますが、インターネットの通販でも購入可能です。 その値段や種類は様々ですが、安いものであれば500円以下で手に入るものも。
グローブを磨き上げるためにタオルが必要です。 手入れの前にグローブについた汚れを落とすのと、手入れの最終的な仕上げとして磨き上げるために使うので、2枚用意しましょう。 タオルは新品でなくてもかまいませんし、雑巾や布があればそれを使っても問題ありません。
手入れセットの準備ができたら、あとは実際に手入れをするだけです。 以下に、一般的なグローブの手入れ方法の流れを紹介します。
グローブの手入れで最も大切なことは「汚れを落とす」ことです。 タオルや乾いた雑巾、ブラシなどで、グローブに付着した砂、泥、小さな石などを取り除きます。グローブの指の間や紐の部分も汚れやすいので、確認してしっかりと拭き取りましょう。 擦っただけでは落ちない頑固な汚れに対しては、ローションを使います。布にローションを少しだけつけて、薄く伸ばすように塗ります。汚れが浮き出てきたら、もう一度擦って汚れを落としましょう。
汚れを落とした後は、ワックスを布やスポンジに少量とり、全体に薄く塗ります。 ただし、必ずしも全体にまんべんなく塗る必要はありません。触ってみてザラザラしているなと感じるところに丁寧に塗れば十分です。 捕球面はボールとの摩擦によって一番痛みやすく、かつ重要な部分なので、グローブを使ったら必ずワックスを塗りましょう。
ワックスを塗ったら一旦グローブを乾かします。 十分に乾いたことを確認してから、タオルや布でグローブ全体をから拭きします。 そうすることで余分な油分を取り除き、同時にグローブにもツヤが生まれます。 から拭きまで終えたら、後は風通しの良い場所に置いて乾かせば、グローブのお手入れは完了です。
手入れと聞くと、手間もかかるし手入れ道具の準備も必要なため、めんどくさいと感じる人もいるかもしれません。 しかし、グローブの手入れをすることは、ただ綺麗になるだけでなく、いろいろなメリットがあります。以下にそのメリットを紹介します。
野球は道具を使って行うスポーツですので、まず「道具を大切にする」という気持ちが何より大事です。 日頃からグローブをまめに手入れしていると、道具への愛着も湧き、大切に扱うように。 大切に扱う気持ちが強くなると、その結果としてグローブも長持ちしますし、良い状態のグローブで練習することができるため上達にもつながります。
グローブは革製品であるため、手入れをしないと革が傷んですぐに使えなくなってしまいます。 野球道具の中でもグローブの場合はダメージが強い過酷な環境で使われています。ボールの衝撃を受けたり、手の汗が染み込んだり、雨の中で使えば濡れることも。 それを手入れもしないで放置すると、あっという間に傷んでしまい、当然、耐久性も悪くなり、壊れやすくなります。 けれどきちんと日頃から手入れをしていれば、10年以上も使うことができるのです。
きちんと手入れがされていないグローブは、「型」が崩れてしまいます。 グローブはボールを取りやすいように設計されていますが、手入れをしないと型が崩れてしまい、ボールが上手に取れない原因になってしまいます。 新品のグローブは指が開いたような形をしていますが、手入れを怠っているグローブはぺちゃんこに潰れてしまいます。そんな道具でいくら練習をしても上達は期待できません。 普段からしっかりと手入れをしていれば、型崩れを防ぐことができるため、野球の上達にもつながります。
手入れをおろそかにしているグローブは、耐久性が悪くなってしまうため、すぐに買い換えることになります。 少年野球で使用する入門用グローブは5,000円台から購入できますが、その後はポジションに合わせた性能の高いグローブを購入することが多くなるため、1万円を超えるものを選ぶのが一般的です。 決して安くはないグローブの購入回数が増えてしまうと、当然出費も大きくなってしまいます。 日頃から手入れをしていれば、1つのグローブを何年も使い続けることができるため、余計な出費をしなくて済むので安心です。
グローブを長持ちさせるためには保管方法も重要になります。 以下にグローブの保管方法のポイントを紹介します。
カバンの中にグローブをいれたままにしている人もいると思いますが、これはグローブを傷める原因となります。 使用後は、汗などの湿り気を取るために袋から出し、風通しが良くて湿気の少ない場所に保管しましょう。 置くときはグローブの型が崩れないように注意が必要です。横向きに寝かせると親指の重みで型が崩れてしまうので、グローブを開いて立てた状態(捕球面を下に向けて立てる)で置きましょう。
グローブが直射日光を浴び続けると、革が痛みますし、色落ちする原因にもなります。 直射日光があたらない日陰で保管するようにしましょう。 また、革製品は熱に弱いので、ストーブやヒーターなどの近くには絶対に置かないように気をつけてください。
雨の日にグローブを使用したり、いつも以上に汗をかくなどして、水分を多く吸ってしまった場合には、早めの対策が必要です。濡れたままにしておくと、革が傷むことはもちろん、カビが発生して臭いの原因にもなるからです。 まずは、タオルや雑巾で水分と泥を拭き取ります。次に、筒状にした新聞紙を、指を入れる部分に詰めます。 この準備ができたら、最後はしっかりと乾燥させましょう。できるだけ風通しの良い日陰に置くのがポイントです。 梅雨の時期など天候が悪くて外に干しづらい場合には、扇風機を使うと早く乾かせます。 ただし、先述したように革製品は熱に弱いので、ドライヤーをあてたり、こたつに入れるようなことはしないように注意しましょう。
グローブを手入れすべき頻度は、「毎日行うもの」「使用したときだけに行うもの」の二通りに分かれます。 グローブを使ったら、その日のうちに泥や砂などの汚れをタオルやブラシで取り除き、ワックスを塗っておきましょう。 ただしワックスは毎日塗る必要はありません。ワックスの塗り過ぎはかえってグローブの寿命を縮めてしまうので、使用した後に塗るだけで十分です。 一方で、なるべく毎日続けた方が良い手入れは、タオルや雑巾、ブラシで汚れを取り除いておくことです。 こうしたグローブへの日々の労りは、長く使っていく上でとても大切で欠かすことのできないものです。グローブの良い状態を保ち、気持ち良く野球を楽しむためにも、愛情を持って毎日の手入れを行いましょう。
プロ野球界で活躍する一流と言われる選手は、みんなグローブを大切にしています。道具を大切にすることは長持ちさせるだけでなく、上達にもつながります。 しっかりと手入れをして、大事なグローブを長持ちさせましょう!