ハンドボールを始めたいけれど、何をどうしていいのか分からない。そんな人にこそ読んで欲しい、ハンドボールの基本のルールや、人数、ポジションや攻撃・防御などなど知っておかなければならない反則などを集めました。ぜひハンドボールのルールブックとして、参考にしてみて下さい。
日本ではサッカーや野球などとくらべてみると、ハンドボールはまだまだ認知度が低いスポーツですが、発祥のヨーロッパ地方ではとても人気が高く、19世紀の終わりごろに始まったといわれるとても歴史のあるスポーツです。日本でもその人気を徐々に上げているようで、最近では各学校や大学、社会人の間などでもハンドボール部の活動が大変増えているほどです。
1チームのプレーヤーは、ゴールキーパー1人を含む計7人。コート内に2チームが互いに向き合い、相手のゴールへボールをパスとドリブルでつなぎシュートし得点を入れていきます。簡単にいうと足の代わりに手を使うサッカーのようなもの。素早いパス回しやドリブルなどでつながれ放たれるシュートは、全身のバネを弓のように使う華麗なジャンプでゴールネットに吸い込まれていきます。ハンドボールは一瞬たりとも目が離せない、スピード感にあふれる試合にプレーヤーだけでなく観客も大興奮してしまう、そんな魅力的なスポーツです。
ハンドボールを始める際に、これだけは必要だというアイテムをピックアップしました。是非参考にして、すぐにスタートできる準備を整えましょう。
ハンドボールはハンドボール用のシューズでなければプレーできません。こちらのシューズは長い時間プレーを続けても疲れにくいクッション性と、踏ん張りの効くグリップ性、そして汗を溜め込まない通気性に優れたシューズです。
ハンドボールの試合では、それぞれの所属チームのユニフォームが支給されることになりますが、トレーニング用のウェアは自分で用意します。こちらのTシャツは、汗をかいても乾きやすく重くならないので動きやすいのが特徴です。ボールの滑り止めがついて汚れることも多々あるので、Tシャツは2~3枚用意しておくと良いでしょう。
Tシャツと同じく必要になるウェアがこちらのショートパンツです。試合と同様トレーニングでも動き続けることで熱が溜まりやすくなりますので、ショートパンツを履くことをおすすめします。
ハンドボールの主なルールについて紹介しましょう。ハンドボールのルールは、チームの年齢ですこしずつ違いがあります。さらに、ルールの改正などが行なわれる場合もありますので、いつでも対応できるようにしておきたいですね。
・コートの大きさ・・・40m×20mの長方形 ・ゴールの大きさ・・・各チームそれぞれ幅3m×高さ2m ・ゴールキーパーしか入ることができないゴールエリア・・・ゴールから6m ・ペナルティで使われるライン・・・ゴールから7m地点に横1m ・試合中選手交代が行われる交代ライン・・・センターラインから左右に4.25m(センター ラインをはさみ計9.5m)
競技時間について ハンドボールの競技時間は、カテゴリー(階級)により変わります。 高校生以上・一般の場合 一般とされる高校生上のカテゴリーの競技時間は、前半・後半ともに30分。 前後半の間にある休憩時間は10分です。 中学生以下の場合 中学生の競技時間は一般に比べ少し短い、前半・後半ともに25分。 休憩時間は、同じく10分です。 8~12歳のカテゴリーの競技時間は、前半・後半ともに20分で、休憩は10分となります。 延長 競技時間の中で勝敗が決まらなかった場合は、5分の休憩後に10分間の延長を行ないます。 それでも決まらない場合は、7mスローコンテストで勝敗を決めます。
コート内での競技人数は、コートプレーヤー6人とゴールキーパー1人の計7人で行なわれます。他のスポーツと同様、プレーヤーの交代が許されていますが、コートから出るプレーヤーがコートのラインを出る前に、代わりのプレーヤーがコート内へ入ってくると一時的にコート内のプレーヤーの数が8人となり、反則行為となります。ゴールキーパーもゴールエリアを越え、一時的にオフェンスのプレーヤーの1人としてプレーできますが、その際は足を使ってはいけないなどコートプレーヤーのルールに従がわないといけないので、注意しましょう。
ハンドボールでは、ボールを蹴ってはいけないという基本のルールがあります。ですが、これは膝から下の部分でボールを扱ってはいけませんと言う意味ですので、実際は膝から上であれば手以外でもボールを扱っていいということになります。また、ボールは3秒まで保有することができ、3歩まで歩くことができます。
ハンドボールのスローには2種類あります。まずは反則があった場合のフリースロー、これは明らかに相手チームの得点機会を妨害した場合や、6mのゴールエリア内でディフェンスした場合に、相手チームが7mラインからフリースローできるというもの。もう1つは、試合開始と相手チームが得点を入れた後のスローオフです。これは、センターラインの中央からのスローとなりますが、レフリーの合図があって3秒以内、そして相手チームは3m以上離れていないといけないというルールがあります。
ハンドボールも他のスポーツと同じように反則があります。 主なものを紹介していきましょう。 ・オーバータイム 3秒以上ボールを保有してしまうこと。 ・オーバーステップ ボールを持ったまま4歩以上歩いてしまうこと。 ・ダブルドリブル ドリブルしたボールを1度持った後、またドリブルすること。 ・プッシング 相手を押したり、突き飛ばしたりすること。 ・ホールディング 相手を捕まえること。 ・ハッキング ボールを持っている手をたたくこと。 ・トリッピング 意図的に自分の足で相手の足を引っ掛けること。 ・パッシブプレー パスやドリブルをただ繰り返し、攻撃する意図を示さない消極的なプレーを続けること。 ・バックパス コートプレーヤーが、自分チームのゴールキーパーにパスを出しそれをキャッチすること。ゴールキーパーがこれを受け取らなかったり、ゴールエリアから出てキャッチした場合はバックパスにはなりません。 ・ラインクロス 自分チームのキーパー以外のコートプレーヤーがゴールエリアに入ること。ただし、空中でのプレーは認められています。
意図的、また悪質な反則には、罰則が与えられます。どんな罰則があるのかみていきましょう。 ・警告(イエローカード) 反スポーツマンシップな行為と判断された場合に出されます。 ・退場 プレーヤー個人が退場に相当する反則を犯した場合や、警告(イエローカード)を2回以上受けると、退場処分となります。退場時間は2分間、その間プレーヤーは補充されることなくプレーヤーの数は少ないまま競技が進みます。 ・失格(レッドカード) 退場処分が3回目になると、失格となります。退場になったプレーヤーは2分後に再プレーが許されますが、失格となったプレーヤーはその試合に戻ることはできません。失格処分となった後の2分間は交代のプレーヤーも入れず数が不利な状態ですが、2分後から交代のプレーヤーを入れることが可能になります。
ハンドボールのレフリーは2人。主審と副審というような位置づけはなく、2人ともが同じ権限を持っています。1つの反則に対し、2人が違った見解を持った場合は、重いほうの罰則を与えるようになります。下にそれぞれの反則にとられるレフリーのジェスチャーをまとめている図がありますので、参考にしましょう。
※2010年8月のルール改正により、追放はルールからなくなりました
ここまで、ハンドボールの基本ルールを紹介してきましたが、ここからはハンドボールだけにある少し変わったルールを紹介していきたいと思います。
ハンドボールを初めて観戦する人の多くが驚く最初のポイントがこちら。プレーヤーが、何度も出たり入ったりしていること。1試合に何回までというルールがないので、必要な時に必要なだけプレーヤーが交代できるようになっています。ですが、先ほども紹介したように交代のタイミングがずれてしまい、一瞬でもコート内にプレーヤーが8人存在してしまうと不正交代とみなされ反則になってしまいます。
実はハンドボールには、試合中プレーヤーがすすんで行なうファールがあります。それが相手の攻撃を遅らせるためにファールを繰り返し、相手に攻撃させないようにします。そうすることにより、相手を攻撃する姿勢を見せないとされる反則、パッシブプレーに持ち込むのです。
ハンドボールは、ボールを保有してから3歩まで歩くことができます。数え方は少し変わっていてボールをキャッチした時点では0歩というカウント。空中でキャッチ=0歩、1歩、2歩、3歩、となるのです。バスケットボールとはカウント方法が違うので、注意しましょう。
色々なルールを説明してきましたが、ここで知っておきたいハンドボールの豆知識を少し紹介します。
ハンドボールは、ほかの球技とは違いコートの大きさは男女間や年齢で変わることなく一律で競技します。またボールの規格だけは細かく設定されています。 高校生以上の一般男子 ・ボールの大きさ:3号球 ・外周:58~60cm ・重さ:425~475g 高校生以上の一般女子 ・ボールの大きさ:2号球 ・外周:54~56cm ・重さ:325~375g 小学生 ・ボールの大きさ:1号球 ・外周:49.5~50.5cm ・重さ:255~280g ボールは5角形と6角形、合わせて42枚の革で作られています。大きさは違うもののサッカーボールととても良く似ていて、ハンドボールは手でするサッカーと言われているほどです。 ボールの滑り止め スピーディに飛んでくるボールを確実にキャッチし、正確にパスをまわすために、ハンドボールで使うボールには滑り止めをつけてプレーします。以前は滑り止めに松やにを使用するプレーヤーが多くいましたが、フロアが汚れてしまうという理由から、最近では汚れのつかない専用スプレーを用いることが多いです。
ハンドボールの人気は少しずつですが上がってきています。ほかの球技と比べてオフェンス側のスピーディーな速攻だけでなく、放たれるシュートの数が断然多く、終始見ごたえのあるゲーム展開が繰り広げられるスポーツです。高価で特別な装備も必要なく、簡単に始められる競技でもあるのでぜひこの記事を参考に、魅力的で楽しいハンドボールライフをスタートしましょう。