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パフォーマンスが向上するカーボローディングとは?

カーボローディング…スタミナを要するスポーツをしている人は聞いたことのある言葉かもしれませんが、一般的にはまだまだ認知度の低い言葉かもしれません。いつもの筋トレや食事メニューの制限では、自分の運動パフォーマンスに満足いかない! どうしても納得のいく結果が出ない! そんなアスリートにおすすめしたいのがこのカーボローディング(Carbohydrate Loading)です。ここでは、そもそもカーボローディングとは何なのか、どう良いのか、どうやって行うのかなど、さまざまな疑問を徹底解明していきます。
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『カーボローディング』とは?

認知の低い、カーボローディングですが、簡単に言ってしまえばカーボローディングとは食事方法のひとつです。元々、体は食事から取り込まれるエネルギーによって運動をする力を蓄えます。特に1〜2時間以上続くような競技ではそのエネルギーが大量に必要となります。長時間の競技中にエネルギーが不足してしまわないよう、エネルギーの基となる、炭水化物(Carbohydrates・カーボハイドレイト)を高炭水化物食と運動量の調節をすることで体内にたくさん積み込み、蓄えておけるようにする(loading・ローディング)方法のことです。炭水化物の中には、体内で消化されエネルギーの基になる糖質と、消化されることなくほとんどがエネルギーの基にならない食物繊維とがあります。体に取り込まれたエネルギー源となる糖質は、血中グルコースとなって体内を巡ります。その残りが筋肉と肝臓へ、グリコーゲンとして送られ蓄えられます。スポーツ競技で長い時間、高度なパフォーマンスをするためにこの糖質・グリコーゲンを筋肉や肝臓でしっかり溜め込めるようにするための食事法、それがカーボローディングなのです。

どのようなスポーツ競技におすすめ

カーボローディングはスポーツの種類によって、大きく分けて2つの目的に分けられます。まず1つ目が、マラソン、自転車競技、トライアスロン、水泳長距離、格闘技など筋肉の瞬発力や持久力などを必要とするスポーツ競技です。これらのスポーツでのカーボローディングは、エネルギー源としてグリコーゲンをたくさん蓄えるのが目的となります。2つ目がフィジークやボディビルといった、コンテストなどで筋肉にハリや大きさを魅せるといった競技です。こちらの競技は前述した持久力が必要となるスポーツとは目的が違い、コンテスト直前などの短期間のみカーボローディングを行い、減量中に小さくなってしまった筋肉にボリュームを出すといった目的になります。1つ目のマラソンや自転車競技、格闘技など持久力や瞬発力を上げるために行うカーボローディングは、極端に体重が増加してしまうと競技に影響が出てしまうのでよくありませんが、見た目は気にしない競技のため少しの体重増加は許容の範囲内となります。2つ目のフィジークやボディビルなど、見た目で競う競技の場合では体重の増加が結果を大きく左右します。ですから、筋肉を大きく見せるのが目的であるカーボローディングでは、同時に水や塩分を抜く作業が必要となってきます。水や塩分を抜く際には、体調を崩しやすくなりますので、作業になれるまではゆっくりゆっくりと様子を見ながら行うようにしましょう。

カーボローディングの良さの秘密

マラソンや長距離水泳などで、前半は調子が良かったのに後半になると急にガス欠状態になったことはありませんか?長時間のスポーツでパフォーマンスを発揮するには、体の中に十分なエネルギーを蓄えていなければなりません。エネルギーが足らなくなり、それ以上運動できないガス欠状態になってしまわないようにグリコーゲンを溜めこんでおく、その方法としてカーボローディングがあるのです。カーボローディングが成功した場合には、最大で通常の150%ものグリコーゲンが蓄えられるとも言われています。筋力が1.5倍になるというわけではありませんが、筋力をキープする持続力、すなわちスタミナはグリコーゲンの貯蓄量に比例し増えていきます。その分長く、同じ力のままパフォーマンスを維持することが可能になるのです。

おすすめの食事方法とメニュー例を紹介

カーボローディングでは、高い糖質を含む食べ物を食べるようにしましょうとお話ししてきましたが、実際にはどのようなものをどうやって食べればいいのか、逆に気を付けなければいけないポイントはあるのかを紹介していきましょう。食べて欲しい高糖質な食べ物としてあげられるのが、白米やうどん、お餅やパスタなどの主食となるものと、サツマイモやジャガイモ、などのイモ類です。カーボローディングでは、ストレスのない食事方法を心掛けたいので一つだけのものを食べ続けて飽きてしまうよりは、色んな高糖質のものを組み合わせて楽しく食事をしてもらいたいと思います。そのためには毎回の食事メニューにも工夫をしましょう。料理が得意な人は、自分でメニューを研究して作ることができますが、ここではあえて料理が得意ではない人にも簡単に作れるものを紹介していきますので参考にしてみてください。

卵とじうどん

つゆは市販のものでOKです。そこへ茹でたうどんを入れて一煮立ちさせたら、溶き卵を回し入れるだけ。トッピングに豆腐や餅、豚肉や鶏肉などを入れるのもオススメです。野菜は食物繊維が多く含まれていて、消化に時間がかかってしまうのでできるだけ繊維質の多い野菜は避けましょう。

パスタ

パスタのソースは手作りでもいいですが、スーパーなどに売っている、混ぜるだけのもので十分美味しいものが揃っているのでぜひ利用しましょう。この時に気をつけたいのが、オリーブオイルや生クリームなどの脂質です。

パンとフルーツジュース

朝食や間食にもってこいのパンですが、おすすめしたいのはあんパンです。あんこは糖質を多く含んでいるのに、脂肪分が少なくカーボローディングにぴったりです。そしてカーボローディング中は野菜をあまり食べないので、ビタミン不足が心配になりますがそこはオレンジジュースなど、ビタミンが豊富なジュースで補えばしっかりビタミンも補給できるので安心です。パンの中で気を付けたいのは、クロワッサンやクリームなどの脂質の多く含まれたもの。糖分がしっかり採れるからと、脂質の高さに注目するのを忘れがちですが、カーボローディング中は、パンの生地にまで気を配るようにしましょう。 同じ糖質でもフルーツなどに含まれるフルクトース(果糖)では、スポーツに必要となる筋肉中のグリコーゲンにはならないため、フルーツなどではカーボローディングの良さが得られないの? という質問を耳にしますが、実はフルーツでも大丈夫です。フルクトース(果糖)は小腸で吸収されますが、その後血管を通り肝臓へ運ばれます。そこでグルコースに変えられきちんと筋肉へ取り込まれる仕組みになっています。ですから、たくさんの量を食べられないという人でもフルーツを食べることで、糖質を得ることが可能になります。

3日くらい前から糖質中心に

カーボローディングでは、試合や大会の7日〜4日前までにだんだんと糖質を減らしていく低糖質食期があります。例えば、通常250gのご飯を食べているのであれば、7日前には200g、6日前には150g、5日前には100gそして4日前には50g、と糖質を減らしていきます。そして試合・大会の3日前から高糖質のものを中心に、量もたくさん摂るようにします。特に、先ほど挙げた白米やうどん、パスタなどはしっかり食べてエネルギーを一気に蓄えましょう。

試合・大会当日の朝食に気をつかう

試合・大会の3日前から高糖質のものを主にたくさん摂りましょうとお話ししましたが、もっと大切になってくるのが当日の朝食です。まず避けた方がいいのは、普段から食べ慣れていないもの。そしてお腹の調子を崩してしまう可能性のあるお刺身などの生ものや、消化に時間がかかってしまう脂肪分の多いもの、また繊維質のものも避けるようにしてください。細かいようですが、試合・大会当日の朝食は時間を刻んで調整して摂ることも大切です。下記におすすめの食事メニュー例を時間ごとに分けて紹介しますのでぜひ参考にしてください。

おすすめの食事メニューは?

では、試合・大会の当日には実際どういったものを摂るのが良いのでしょう。おすすめのメニュー例はこちらです。
 
・3時間前…おにぎりやうどんなどの麺類、お餅、味噌汁、ゆで卵、バナナなど
・1時間前…おにぎり、カステラやあんぱん、ゼリー、バナナなど
・30分前…アミノ酸を含むゼリーなど
・直前…ミネラルや塩分を含むスポーツ飲料など
・競技中…アミノ酸やクエン酸を含む水分、ゼリーなど
 
こういった内容になります。そして、競技が終わったらスポーツドリンクなどで水分を補給することはもちろんのこと、使い切ったエネルギーを補充するためにプロテインなどを摂りましょう。

カーボローディングのメリット・デメリット

さまざまなスポーツ競技のパフォーマンスを向上させることができる食事法のカーボローディングですが、メリットやデメリットはあるのでしょうか。それぞれに分けてみていきましょう。

カーボローディングのメリット

カーボローディングのメリットとは、ずばり競技においてのパフォーマンス、持久力を上げることが可能だということ。カーボローディングを行うと、筋肉中にあるエネルギー源の糖質・グリコーゲンは2〜3倍、肝臓には2倍程度溜め込むことができるのです。

カーボローディングのデメリット

カーボローディングを行うと、糖質をたくさん摂ることで水分を細胞に引き込んでしまい、体重増加につながります。グリコーゲンを1とした場合、水分は3の割合で細胞に引き込まれます。つまり、カーボローディングで10gを摂取すると30gの水分が結合されその分の体重が増えてしまう。極端な体重増加にさえならなければマラソンなどの競技に支障が出ることはありませんが、フィジークやボディビルなど筋肉の形などを競うものの場合は細心の注意が必要となってきます。

食事方法も大事だけど日々の筋トレも重要!

最高のパフォーマンスを維持させるためには、カーボローディングだけでは十分とは言えません。エネルギーを蓄えておく筋肉を作るため、日々積み重ねる筋肉トレーニングが必須になります。

家で簡単にできる筋トレ方法

ジムに行く煩わしさを感じることなく、家で気軽にできる筋トレ方法を集めてみました。どれも今から少しずつ始められるものばかりを紹介していきますので、ぜひトライしてみてください。

体幹を鍛えるにはヨガがおすすめ

最近、インナーマッスル・体幹を鍛えるトレーニングをしている人が増えています。その中でも気軽に始められるのがヨガです。ゆっくりとした呼吸でリラックスして行うヨガは、自分のその日の体調に合わせたポーズをすることで無理なく体幹を鍛えることができます。

筋力をあげるなら自重トレーニング!

まず筋力を上げるために、体幹を自重で鍛える必要があります。体幹を鍛えることで代謝も上がり太りにくい体になり、無駄な脂肪を燃やしてくれます。誰でも簡単に家でできる自重筋トレはこちら。
 
・フロントブリッジ

1:うつ伏せになり、肩の真下に両肘をつきます。
2:ゆっくりとつま先を立て、頭・背中・お尻の位置を一直線にします。
3:その状態をキープします。(まずは5〜10秒、慣れてきたら1分を目標にしましょう。)
 
・スクワット

1:両足を肩幅に開きます。
2:手は頭の後ろで組みましょう。
3:ゆっくりと腰を落として、太ももが床と水平になるようにします。このとき、背中が曲がってしまわないよう意識してください。(始めは5〜10回、慣れると20回を3セット行いましょう。)

部分的に鍛えたいならウェイトトレーニング

ウェイトトレーニングとは、ダンベルやバーベルなどの専用のトレーニング器具を使って行うトレーニングのことです。大きな器具を使っての筋トレは専用のものが置いてあるジムに通わなければいけませんが、10kg程度のものでしたら家でも十分に筋トレすることが可能です。ただし、ウェイトトレーニングは正しい姿勢と正しい方法で行わないと大怪我をしてしまうこともありますので注意しながら行うようにしましょう。

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編集部からのヒトコト

まだまだ聞き慣れない人も多い、カーボローディングについて紹介しました。マラソンや長距離水泳など、長時間にわたるスポーツで最後まで必要になる強く持続性のあるスタミナ作り。そしてフィジークやボディビルといった、一時的に筋肉を大きく魅せる競技にも、糖分を溜め込むカーボローディングで、パフォーマンスを向上させることが可能だということがわかりました。それぞれの目的によって、体重の増加や水分の調節など細かいポイントがあったり、競技の当日までしっかりとメニューを組む必要があったりと、ただ単に糖質を増やせばいいというものではありません。急に無理な食事制限を行うことも体に合う、合わないがありますので、プロテインで栄養を補いながら正しくカーボローディングを行い、試合・大会に備えて欲しいと思います!
更新日: 2023/08/15